宮島の管絃祭について

行事

管絃祭

管絃祭

撮影:新谷 孝一

管絃祭とは、嚴島神社の神々をお慰めするために行われる、嚴島神社最大の神事です。

由緒は平清盛が平安時代の都で行われていた"管絃の遊び"の形を大胆にアレンジし、宮島に持ち込んだことにあります。

“管絃の遊び”とは、貴族が池や河川に船を浮かべ、管楽器を奏でるというものです。

神事として形を変え、宮島へ持ち込まれた際は、池や河川ではなく瀬戸の海を舞台としたずいぶんとダイナミックなものになりました。

華やかに飾り付けられた大きな御座船が、管絃を奏しながら宮島の神社と対岸の神社を行き来する様子はとても優雅で美しく、まるで平安絵巻のようです。

日時 毎年、旧暦6月17日に執り行います。
各年の実施日を新暦に直すと、次の通りです。
2024年 令和6年 7月22日
2025年 令和7年 7月11日
2026年 令和8年 7月30日
2027年 令和9年 7月20日 火·祝
2028年 令和10年 8月7日
2029年 令和11年 7月28日
2030年 令和12年 7月17日
2031年 令和13年 8月4日
2032年 令和14年 7月23日
場所 嚴島神社 及び 周辺
予定時刻
発輦祭[はつれんさい]
・・・ 16:00
御本殿出御
・・・ 17:00
大鳥居前の儀
・・・ 17:40
火立岩[ほたていわ]
・・・ 19:00
地御前神社
・・・ 20:20
長浜神社
・・・ 21:40
大元神社
・・・ 22:30
火焼前[ひたさき]
・・・ 23:10
客神社前
・・・ 23:30
御本殿還御
・・・ 24:00
※当日の潮位や潮流等の関係により、
 予定時刻が大幅に変更となる可能性
 がございます。


管絃祭の御座船

かつて、御座船は大きな一隻の船が単独で往来しておりましたが、のちに三隻の小船と御座船を組み合わせて往来するようになりました(下図参照)。

御座船

阿賀村と江波村が御座船を引いて航行するようになったのは、元禄14年(1701年)に暴風雨によって転覆寸前となった御座船を両村が勇気ある行動で救ったことがきっかけです。

鯛網船で居合わせた阿賀村と嚴島神社参拝に船で訪れていた江波村が、力を合わせて暴風雨に見舞われている御座船を救助したと言われています。

時代を経て現在は、江波漕伝馬保存会と阿賀漁業協同組合に御座船の曳航をしていただいています。

なお、往来する御座船の姿はたいへん美しいです。

船首の左右に篝火を焚き、20数個の提灯の明かりを灯し、真夏の夜にきらめく御座船の優雅さは目を見張るものがあります。

  • 管絃祭
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管絃祭の日程(毎年、旧暦6月17日)

例年、管絃祭は旧暦6月17日に執り行われます。日程が変わることはありません。

この日に執り行われることが決まっている理由は、次のとおりです。

・潮(海面)の高さを考慮:旧暦6月17日の夜は潮が高く、御座船が往来しやすい
・月の明るさを考慮:旧暦6月17日は満月に近い状態で、あたりが明るく美しい

旧暦6月17日以外にも、夏で潮が高く、月の美しい日はありますが、台風のリスクがあるので管絃祭を執り行う日としては不適切です。

結果、好条件が整い、荒天となるリスクも低い、旧暦6月17日が絶好の日とされ、毎年この日に執り行われるようになりました。

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管絃祭の流れ

祭典は、午後4時から嚴島神社の本殿で発輦祭があり、次に御神体をお乗せした御鳳輦を大鳥居沖の御座船にお運びします。

御座船では、大鳥居前の儀という神事を執り行った後、管絃を奉奏しながら対岸の地御前神社に向かいます。

途中、火建岩[ほたていわ]沖で一時停船し、潮が高くなるのを待ちます。

潮が満ち、地御前神社前に御座船が入れるようになった頃、地御前神社からの御迎船が来ます。

御迎船を水先に地御前神社前に到着した後、浜辺で祭典と管絃が奉奏されます。祭典後、御座船は三匝(三回廻ること)し、宮島の長浜神社に向かいます。

長浜神社、大元神社と順次祭典を行い、大鳥居をくぐって、客神社前で祭典と管絃の奉奏がされた後、さらに狭い枡形に入り、一気に御座船を三匝しながら管絃を奉奏します。

このダイナミックな儀式が嚴島神社管絃祭のクライマックスであり、参拝客の興奮した声と拍手は、潮の香りのする廻廊にこだまし、夜空には満月が輝きます。

この儀式が終わると神様は本殿に還御され、真夏の瀬戸の海を舞台に繰り広げられた一大平安絵巻は幕を閉じます。


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