日本三景

江戸時代のはじめ、全国を行脚した儒学者、林春斎が「日本国事跡考」において、卓越した三つの景観とした、日本三景。
宮島、天橋立、松島は海と緑が対象の妙をなし、その美しさは人々の心の琴線に触れます。海に囲まれた国、日本を象徴するこれらの絶景は、まさに天が我々に与えてくれた自然の恩恵。
古き時代から数々の歴史の表舞台に登場すると共に,和歌や文学にも登場してきた日本三景。それは誰もが一度は訪れて見たいあこがれの地であり、いつの世も代わることなく人々を魅了する、日本人の旅の心の原点です。

日本三景の日

7月21日は日本三景の日
日本三景を著書の中で紹介した林春斎の誕生日を日本三景の記念日と制定し、三景それぞれの地では記念行事が予定されています。

ミステリアスな自然の造形美

白砂青松の砂嘴[さす]が海を内と外に二分する天橋立。それは神が天に向かって架けた橋と言われるほど神秘的。
学術的には砂嘴といい、長さは3.6㎞。宮津湾を流れる海流と、内海・阿蘇海にそそぐ川から押し出された土砂が堆積し今の姿になりました。
この天橋立は傘松公園をはじめとするビューポイントでの 「股のぞき」 が有名。腰をかがめ両足の間から顔を出す、ユーモラスなスタイルで眺める天橋立は、まさに天にかかる橋を実感できる壮麗な構図です。
周囲には 「三人寄れば文殊の知恵」 の文殊堂で知られる智恩寺、西国二十八番札所として知られる成相寺、丹後一の宮・籠神社、天橋立ビューランドなどをはじめとし、見どころがたくさんあります。また、夏には海水浴か楽しめます。

アーティスティックに輝く多島美

波穏やかな松島湾に浮かぶ大小の島々はその昔、松島丘陵の南東部が沈降したため、谷に海水が浸水して小さな入り江や岬ができ、山稜の小高い部分が島になったものです。その数の多さから八百八島と呼ばれていますが、実際には260余の島々から成っており、日本の代表的な多島美としても有名です。特に大高森、扇谷、多聞山、富山の松島四大観からの眺望はすばらしいの一言です。
また松島は、松尾芭蕉が「おくのほそ道」で”扶桑第一の好風”と賞賛したことでも知られています。松島の見どころは伊達家ゆかりの瑞巌寺、円通院、観瀾亭、五大堂をはじめ、レジャー施設も目白押し。時間があれば、遊覧船で松島湾巡りも。心なごむひとときが過ごせます。