厳島(宮島)は、約6000年前に瀬戸内海ができたとき対岸と分離して島になりました。厳島の最高峰は弥山で535m、駒ヶ林509m、岩船岳466.6mです。
古代から霊威が感じられ島全体が信仰の対象でした。593年厳島神が御鎮座され、平安時代頃から山岳宗教の対象にもなって、弥山には三鬼大権現がお祀りされ、806年に弘法大師(空海)が弥山を開基し真言密教の修験道場となりました。
江戸時代になると、民衆も厳島詣で七浦巡りと弥山への信仰登山を盛んに行っていたようです。明治時代になり、初代総理大臣を務めた伊藤博文公は、弥山信仰に篤く、1906年に弥山への参詣道の改修に尽力し、記念碑が大聖院登山コ-ス入口にあります。 1996年12月嚴島神社が世界文化遺産に登録されたときには、その前面の海と背後の弥山原始林(国天然記念物)431.2haが含まれました。
2004年に登山家岩崎元郎氏が発表した「新・日本百名山」にも選ばれました。
トレッキングには手軽なコ-スではありますが、宮島の山は急峻で迷い込むと危険な山でもあります。安全な以下の3コ-スをご利用下さい。
軽装での登山は危険ですよ!! 気持ちよく登山をしていただくため心得をご紹介します。
環境省・広島県・廿日市市
約1時間30分~2時間(休憩含む)
石段の多いコ-スです。
大聖院仁王門手前、橋を渡らず、左手が登山道入口です。
大聖院登山コ-スには「丁石[ちょうせき]」があり、一丁が109m、山頂までは二十四丁(約2.6km)です。途中の見晴らしはとても良いコ-スで、お地蔵様や御堂があり、信仰の深さがうかがえる道です。
約1時間30分~2時間(休憩含む)
一番初心者向きの弥山登山定番コース。
前半は緩やかな登山道ですが、後半はやや急な階段があります。
約2時間~2時間半(休憩含む)
弥山原始林を歩くコース。
森林が生い茂り、巨岩も多く、歩きながら散策を楽しめます。分岐点も多いので道を間違えないように注意してください。
また途中の駒ヶ林分岐点から約5分で駒ヶ林に行くこともできますが、危険な岩場では足下に注意して下さい。
白糸川渓流砂防 大聖院の傍
平成17年(2005)9月6日の台風14号で大規模な土石流が白糸川で発生しました。
白糸川の上流で発生した土石流は、弥山登山道大聖院ル-ト・滝ノ宮・大聖院境内の一部・滝小路・中西小路など白糸川流域を次々と破壊・埋没していきました。
直ちに、災害関連緊急砂防工事が行われるとともに、宮島らしい景観に配慮した紅葉谷川庭園砂防に習って、渓流砂防を2号堰堤から大聖院にかけての河床と護岸整備を行いました。
平成20年10月1日工事が完成し、約3年ぶりに登山道が開通いたしました。
白糸川第2号砂防堰堤(下流側から)
白糸川第2号砂防堰堤(上流側から)