文字サイズ変更 中 大 特大

民話

弥山の七不思議

弥山の七不思議

おじいちゃん
弥山の「霊火堂の消えずの火」は知っとるじゃろう。
圭ちゃん
うん知っとる。
弘法大師さんが宮島で修行しちゃった時の火が今も燃えよる。いうぶんじゃろ。
おじいちゃん
霊火堂の消えずの火 ほうよ。よう知っとるの。
お大師さんが千二百年前、唐からの帰りに宮島に寄っちゃって、弥山で求聞持[ぐもんじ]の修法をしちゃった時の護摩[ごま]の火が、今でも消えずに守られとるんじゃ。ほいで、ありがたい火じゃけえ、広島の平和公園に「平和のともしび」いうてあるんじゃが、その火の種火に平和を願う他の所の火といっしょにされとるんじゃ。
錫杖の梅 ほいて、霊火堂の横に「錫杖の梅[しゃくじょうのうめ]」があっての、こりゃあ弘法大師が立てかけた錫杖が根をはったいうんじゃ。今でも紅い花が咲きよるんで。ほいて、弥山に悪りいことがありそうなときは咲かんいう話じゃ。
三つ目は、「曼荼羅岩[まんだらいわ]」いうて、お大師さんが大岩[おおいわ]に梵字[ぼんじ]と真字[しんじ]で堀り刻んどってんじゃ。
梵字いうな、サンスクリットいうて昔のインドの文字のことじゃ、真字いうな、漢字のことじゃ。書いてあるなぁ「三世諸仏天照大神宮正八幡三所三千七百余神云々」いうて仏教のことが書いてあるんじゃそうな。こないだ行ってみたんじゃが、あそかぁ今ぁ危ないけぇ、大きうなってから行ってみたらええ。
干満岩 四つ目は、「干満岩」じゃ。弥山にある大けな岩に穴があっての、穴にゃ水があっての、海が満潮のときにゃ水がいっぱいあって、干潮になったら水が減るんよ。ほいて舐めてみたら、ほんまに塩っぽいんじゃ。今度、圭ちゃんも弥山に上がったとき探して舐めてみたらええ。
この四つは、今でも見れるんじゃが、五つ目からは、もう見れんのよ。
「しぐれ桜」いうて、これも本堂のところにあったらしいんじゃが、今はもうない。
晴れた日でも、しぐれのように露が落ちとった。いう桜じゃ。わしが子どもの時にゃもうなかった。切り株はあったいう話じゃが、見たことない。
六つ目、七つ目は「弥山の松明」と「弥山の拍子木」じゃけぇ、宮島の七不思議といっしょじゃ。
宮島にゃ、まだまだいろんな話があるけぇ。また、話したるけぇのお。
圭ちゃん
ありがとう。また教えてぇや。