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民話

二位の尼伝説

二位の尼伝説

圭ちゃん
「二位殿燈籠[にいどのとうろう]」いうて彫ってあるんかねぇ。
おじいちゃん
意味が分からんのじゃろう。
ありゃのぉ。源平の戦を知っとるかいのぉ。
圭ちゃん
よう知らん。
おじいちゃん
ほうか。
源氏と平氏の戦いじゃ。
清盛さんが死んじゃってから、平家の勢力が弱おうなっての、源頼朝いう源氏の大将が関東から京都に攻め上ってから平家を京都から追い出してのう。今の神戸の近くの一ノ谷と四国の屋島で大戦があっての、ことごとく平家が負けてしもうたんよのう。
ほいで、平家は西へ逃げてのう。下関の壇ノ浦いうところまで行って、源氏に最後の戦を仕掛けたんじゃ。
ほいじゃが、平家は、ここでも負けて全滅してしもうたんじゃ。
ほいて、二位の尼いうて清盛さんの奥さんが、この時に8歳になる安徳天皇を抱いて、海に飛び込んで死んじゃったんよ。
ほいたら、しばらくして宮島の有の浦に遺体が流れ着いてのう。宮島に縁のある人じゃけぇ、光明院に安置して篤く弔うたんじゃそうな。
ほいじゃけぇ、あそこらを尼の洲ともいうんよ。
圭ちゃん
ふ〜ん。可哀想な話じゃね。
おじいちゃん
ほいじゃがの、わしが思うに平家縁の人がの、二位の尼さんの遺体を壇ノ浦で引き上げてから宮島に運ばれて来たんじゃないかと思うんよ。
昔の「流す」いう言葉は「島流しの刑」言うて、遠い島に罪人を運んで行くことをいうじゃろう。
ほいじゃけぇ、流れ着いたいうのは、船で運ばれてきたんじゃなかろうか。と思うとるんよ。
お墓は、安徳天皇さんんと一緒で、下関の赤間神宮にあるんよのう。
ほいで、神社にゃ、安徳天皇さんの「ちゃんちゃんこ」があるんで、知らんじゃろう。
圭ちゃん
ほうねぇ。覚えとこ。